普天間御嶽

更新日:2021年02月16日

普天間御嶽

島の東南に位置し、海岸植物としての琉球蓮の葉桐(トゥカナッジャ)やテリハボクのめだつ森の中に普天間御嶽がある。
船守の神として祀られ、船舶の航海安全、とりわけ旅立ちをする人々が祈願をする。
祭事をはじめた年代は明らかではないが、二百五十年余以前からはじめられていると考えられる。

昔、御嶽の神牌には「往昔荷川取与人厚く権現を信じ村民敬神思想の普及に努む。
後塩川与人赴任の渡航に難航して没す。与人が権現信心の厚きによるとし爾来村民は益々権現を崇拝す」と記載している。(土原豊見親十三代立津春方勤書)

また、一説には古老によって次のような伝承がなされている。
「昔沖縄本島で権現を信仰していた人が航海中、風波のため漂流し、多良間島に流れついて助かった。そこで自分が助かったのは日頃信心している普天間権現のお加護だと海岸近くに祠を建て、権現を遙拝した。その後村民も旅神として祀るようになった。」

祠は平成元年(一九八九)五月に全面改築となり、現在のような鉄筋コンクリート赤瓦が完成した。