フクギと風水に守られた集落

更新日:2021年02月18日

フクギと琉球風水に護られた集落

塩川御嶽の鳥居

多良間村落は古来中国から伝来し、琉球の偉大な政治家であり風水師でもある蔡温(さいおん)によって確立された「琉球風水」の思想を受けて形成されたといわれています。
多良間には自然の林は少なく、その多くは植林によるものです。平坦な地形で、台風の影響を直接受ける厳しい自然条件となっている島を守るため、集落を取り囲むようにフクギなどの包護林が造成されています。

集落内のみどころ

集落の上空写真

かつて島に点在していた集落は16世紀の豪族、土原豊見親(んたばるとぅゆみゃ)によって現在の位置に統合されたと言われています。多良間の集落はこの一箇所のみで、レンタルサイクルで巡るのがオススメですが、一日あれば徒歩でも十分散策できます。

国指定の重要無形文化財で一年に一度行われる「八月踊り」の会場となる字仲筋の土原ウガム゜と字塩川のピトゥマタウガム゜も集落内にあります。

土原ウガム゜

土原ウガム゜

ピトゥマタウガム゜

ピトゥマタウガム゜

集落の中心部にはAコープ、中央スーパー、といった村民の生活を支える商店がいくつかあります。生活必需品はもちろん、生鮮食品、飲料品、スナック菓子なども売っています。
多良間村内には食事ができるお店がすごく少ないので、お弁当やパン、おにぎりなどは店頭に並んだらすぐに購入しておくことをおすすめします。
また、ここでしか手に入らない多良間村のお土産や特産品等も販売しています。

Aコープたらま店

Aコープたらま店

中央スーパー

中央スーパー

信号機は多良間村内に1箇所だけ設置されています。交通量は非常に少ないですが子どもたちが交通ルールを学べるように、離島村には必ず1つは信号があると言われています。

信号機


ヤギ

ヤギ

村内のいたるところにピンダ(多良間の方言でヤギのこと)がいます。
祭事にはヤギ料理が振る舞われます。島の生活とピンダは切り離せません。

集落内にも文化財、史跡が点在しており「土原豊見親のミャーカ」もその一つです。土原豊見親は島の開拓振興に尽くした人物で、その偉業を称えてつくられた石造りの墓です。
切石のアーチ門の奥には屋根型の石積み墓があり、当時の石工技術の高さを伺わせます。

土原豊見親のミャーカ

八月踊りやスツウプナカ等、特別な行事がある日以外は多良間村の集落はとても静かでゆったりとした時間が流れています。村木であるフクギは防潮・防風林として、至るところに植えられており、家々を守っています。
また集落自体を取り囲む包護林と、道が碁盤の目のように東西南北に通っているのは風水集落であることを裏付けています。多良間の先人達の知恵、風水による設計思想が数百年にわたって集落を形作っているのです。

多良間の夕空